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【第3回】意識してる?各SNSの活用ポイントと事例まとめ

TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSは、利用者・利用時間ともに増加傾向にあり、ビジネスへのSNS利用を考えないという選択肢はなくなりつつあります。

2016年には経済産業省は「ソーシャルメディア活用先進事例報告会」に出席した企業にアンケートを実施しました。そこで、170社のうち63%が「すでにSNSを活用している」と回答し、「今後取り組みたい」も含めると98%の企業がSNS活用の必要性を感じているという結果が出ました。これは、SNSのビジネス活用に対する関心の高さが伺えるデータと言えるでしょう。


出典:ソーシャルメディア情報の利活用を通じたBtoC市場における 消費者志向経営の推進に関する調査

しかし、SNSは単なる情報発信ツールではありません。企業が伝えたい情報を一方的に発信するだけでは、ユーザーに対して自社を良いイメージで認知してもらうことも、そこから売上などのビジネスゴールにつなげることもできません。

SNSのマーケティング活用で重要なキーワードとなるのが、ユーザーとの「つながり」と「共感」です。

前回の「これだけは知っておきたい!SNSマーケティングの基礎の基礎」に引き続き、今回の記事では実際の企業の活用事例を通して、Twitter・Facebook・Instagramそれぞれの活用のポイントを確認していきましょう。


 SNSは「使い分け」が大事

SNS、と一口に言っても実際には多くのサービスが乱立しています。しかし、「とにかくすべてのSNSでアカウントを開設して同じような内容を投稿する」という運用ではSNSにマーケティングを成功させることはできません。

SNSごとに特徴があり、そこに集まるユーザー層や情報の拡散の仕方などが異なるためです。

2018年5月時点で株式会社コムニコがまとめた各SNSのユーザー数と特徴を簡単に見てみましょう。


出典:We Love Social

Facebookは30代・40代を中心にビジネスマンの利用が多く、プラットフォーム自体が他のSNSと比べてフォーマルな場になっています。そのため、「企業からの情報発信」というマジメな体裁をとりやすくなっています。また、実名制という特徴から、広告配信などの際に年代・業種・興味関心分野などで細かくターゲティングできるのが特徴です。

Twitterは140文字という限られた文字数でいかにユーザーの興味を引き、拡散しやすいツイートができるかが求められます。一般ユーザーの投稿でも10万件以上のリツイートが発生するなど、他のSNSよりも爆発的な拡散力が見込めるのがTwitterと言えるでしょう。

Instagramはメインとなる画像だけでなく、「ストーリーズ(ストーリー)」と呼ばれる24時間限定で動画投稿できる機能が登場したことにより、ますます視覚的に訴える投稿が求められるようになってきています。企業が統一した世界観を作り出し、そこにユーザーからの共感やフォローを生み出すことがマーケティング活用のカギとなるでしょう。

簡単に3つのSNSの特徴を見てきましたが、イメージは湧いたでしょうか?

ここから具体的に企業の活用事例を挙げながら、各SNS運用のポイントを見ていきたいと思います。


 Facebook:企業としての広報・カスタマーサポートからクローズドのコミュニティまで

Facebookは利用ユーザー層が30代以上がメインになっており、比較的マジメな情報発信が効果を持つSNSです。

また、実名制であることからシェアされた情報については「●●さんがシェアしているなら」という安心感・信頼感のようなものが期待できます。

そのため、「面白さ」に振り切りすぎない情報発信で、かつユーザーにも興味を持ってもらい参加・シェアしてもらえるような企画を考える必要があります。


Facebookページを活用して自社の認知拡大・情報発信を

Facebookでは、企業の公式ページとして「Facebookページ」を設定することができます。

Facebookページは、いわば簡単な企業ホームページです。

企業の住所・電話番号・公式ホームページのURLなどが掲載できる他、「お問い合わせ」「予約」といったCTAボタン(ユーザーにとってほしい具体的なアクションを促すボタン)を設置することができます。



また、ユーザーからのレビューなどもFacebookページ上で受けることができるので、実際にユーザーから好意的なレビューがあつまることによって、「★」で表せる評価を上げ、自社の信頼度アップにもつながるでしょう。

Facebookページを有効に活用することで、自社のイメージアップや直接的なコンバージョンに導くことができます。


「イベント」を通じてオフラインの交流も可能

実際にオフラインのイベントを企画する際、Facebook上で集客ができます。

たとえばHISが主催している「旅と本と珈琲と」という一般ユーザー参加型のイベントは、毎週のようにイベントの告知をFacebook上で行っており、実際に参加したいユーザーはこのページからチケット入手のページへと誘導されることになります。

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このように、実際のオフラインのイベントの集客も、Facebookを通じて行うことでユーザー間でのシェアによる認知拡大を期待できます。「●●さんが参加するなら私も参加してみようか」という気持ちを起こしやすいため、イベント集客への効果も期待できるでしょう。


 ユーザー参加型など、投稿を工夫して巻き込みと拡散を狙う

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「●●についてどう思いますか?」「商品Aと商品B、あなたならどちらがほしいですか?」といったような問いかけは、ユーザーからの回答がコメントで返ってくることで商品認知や拡散を狙えます。クイズ形式、ユーザー参加型のキャンペーンなどをFacebook上で企画することも、ユーザーとのコミュニケーションを計る上で有効な手段といえるでしょう。



また、資生堂ではユーザーからの質問に対して、公式アカウントから丁寧な回答と、具体的な商品の紹介を行っています。

このように、ユーザーからのコメントに対して細やかにリアクションを返すことで、ユーザーからの印象を良くすると同時に商品の訴求もさりげない形でできます。


Twitter:親近感と話題性で「拡散」による認知を期待

Twitterの最大の特徴は「140文字」という限られた文字数で、どれほどの情報をユーザーに伝えられるかという点です。伝えたい情報を厳選しつつ、ユーザーに「面白い」と思ってもらい、拡散されるようなツイートを作ることができれば、多くの人に届き認知拡大に繋がります。

「面白い」と思ってもらうためには、情報の即時性・独自の切り口・キャラクター性など、各企業の工夫が見られます。すでに成功して多くのフォロワーがついているアカウントの例を実際に見ていきましょう。


宣伝に“なりすぎない”宣伝が拡散しやすい

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SHARPの上記のツイートは、単に「自社にはこのような冷蔵庫があります」という紹介文ではなく、人気俳優の名前を出しながら「ネタツイート」的な切り口で商品を紹介しています。

このツイートには多くのリツイート(他のユーザーへ拡散する行為)が付き、このツイート内容を引用して一般ユーザーが他のユーザーに拡散していく流れがうまくできています。

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このように、単なる紹介文ではなく、独自の切り口で「面白いから他の人にも見てほしい」と思わせるような商品・サービス紹介を考えてみましょう。


 身近に感じさせて「共感」「好感」を生み出すツイートを

株式会社タニタの公式Twitterでは、流行のドラマ・ゲーム・音楽などのツイートを「いちユーザーの感想」として流すツイートが度々みられます。

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こうしたツイートをすることで、単なる企業の情報発信アカウントとしてではなく、より親近感のある「タニタさん」というキャラクターを演出することに成功できている事例と言えます。

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さらに、そこから自社の商品の紹介などにも自然につなげることができるため、嫌味なく「タニタさん」のキャラクター性を保ったまま商品の宣伝・紹介をうまく行えているのも特徴です。

このように、自社の発信したい情報だけでなく、時事性やトレンドを取り入れながら親近感を持たせるような発信をしていくこともTwitterで好意的な印象を得るためには大切な要素の1つです。


即時性のある情報で拡散を狙う

「その日」の情報をその日に更新することで、ユーザーの興味を引いたり「今日お店に行かなきゃ」という気持ちを起こすことが得意なのも、即時性という強みを持つTwitterの特徴です。

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たとえば、金曜日の朝に「毎週金曜日は●●がセールです」という情報を流すことで、「あ、今日のお昼はこのお店に行こうかな」といったように、その場での意欲喚起につなげることができるでしょう。

イベントやキャンペーンの際は、その場の情報をリアルタイムに更新することで、ユーザーの購買意欲を引き出すことができます。


 Instagram:ユーザーの興味・共感を視覚的に生み出す

「インスタ映え」という単語が流行語大賞を受賞するなど、若年層を中心に「自分の生活が充実している(リア充)アピール」の場として普及しているのがInstagramです。

最近は写真だけでなく、ストーリーという動画投稿機能がついたことで、より視覚的にユーザーに訴えかけることが必要になってきています。


ハッシュタグの活用で情報の露出を増やす

InstagramにはTwitterのようにリツイート機能はなく、投稿はハッシュタグ「#」によって広まっていきます。2017年12月からはハッシュタグそのものをフォローできるようになり、キーワードでの情報収集が可能になりました。

ハッシュタグは多くつける方がユーザーに見つけてもらいやすいことがすでにさまざまな調査によって明らかになっており、その中でも投稿数が多いハッシュタグをつけることが大事です。



たとえば「#interiordesign」は投稿数46,018,700件ですが、日本語にした「#インテリアデザイン」が投稿数98,956件と、英語表記に比べてだいぶ少なくなっています(2018年5月31日現在)。

このように、ターゲットが調べると思われるハッシュタグの中でも、多くの投稿数がついているハッシュタグを優先的につけていきましょう。


 「インスタ映え」な写真でユーザーの興味を惹きつける

原宿の「Eddy's Ice Cream」は2017年7月にオープンしたアイスクリーム店ですが、「インスタ映え」する内装や商品で、Instagram中心に人気の広まったお店の代表格と言えるでしょう。

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Instagramのメインユーザーである若い女性が好むピンク色の店内や、自分でカスタマイズして作れる可愛らしいアイスクリーム、店内に撮影スポットとなるようなインテリアを用意することで、女性からの投稿が多く、Instagramを見て店舗に訪れる若い女性客が多くなっています。

このように、Instagramをきっかけとして実店舗への集客を伸ばすこともできるため、自社のイメージをグラフィカルに伝えることがInstagramでは重要です。


影響力の強いインスタグラマーを活用する

Instagramには、フォロワーや閲覧数が多く、強い影響力を持つ「インスタグラマー」と呼ばれるユーザーが存在します。芸能人・著名人だけでなく、一般ユーザーも多く、何百万という規模のフォロワーを抱えるインスタグラマーたちが紹介した商品やサービスは、そのフォロワーに友好的に捉えられ流行することが多くあります。

女性用のスキンケア・ヘアケア商品の「BOTANIST(ボタニスト)」は、マス広告だけでなくインスタグラマーを中心に火がついた商品の1つです。


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新商品を告知するインスタグラマー「谷まりあ」さんの投稿には、1万2千件をこえる「いいね」がついています。

このように、企業の公式からではなく、ターゲットユーザーにとって影響力がある人からの推薦のほうが、商品購入に対しての影響力が大きいのがInstagramの特徴とも言えるでしょう。


まとめ

ここまで、それぞれのSNSの特徴を見てきました。

Facebookはビジネス性の高いコミュニケーション、Twitterは即時性・話題性が重要、Instagramは視覚的に訴えたりユーザーに影響力の高いインスタグラマーを活用することで商品の魅力を訴求する、というそれぞれのプラットフォームの活用方法が見えてきたのではないでしょうか。

SNSはただ消費者との接点を作るだけでなく、コミュニティやファン作り、カスタマーサポートへの利用を通じて、企業・ブランドへの愛着や信頼感を高めることができます。

しかし、ユーザーとの関係構築は一朝一夕ではできません。目的に応じてどのSNSを使い、どのようなコミュニケーションをとればよいのかをしっかりと考え、ユーザーとのコミュニケーションを図っていきましょう。





高橋 佳久

高橋 佳久

インドネシアやタイなどの邦字紙で編集者・記者として従事。2018年からferretでエディターとして記事を編集・執筆しています。